今回は野村総合研究所(NRI)の企業研究です。
同社は、日本初の民間シンクタンクであり、日本初の民間商用コンピューターの導入実績を持つ、まさにSIer業界での名門企業になります。
高年収でエリート揃いな反面、業務内容がハードというイメージがありますが、今回はそれらについて深堀して解説をしていきます。
<この記事を読んでわかること>
NRIの…
・事業内容
・業務内容
・年収
・ホワイト度(残業時間、有休取得率)
・採用大学
・おすすめ度
NRIの事業内容
日本国内の証券、金融、保険、サービス業など幅広い業種に対して、システム開発を行っています。
会社の成り立ちが野村証券のシステム部門ということで、特に証券、金融業界でのシェアが高いです。
証券会社向けのパッケージ「Star」は日本の証券会社のほとんどで導入されており、その分野では独り勝ちの状態です。
また、コンビニが日本で誕生したころから、セブンイレブンへのITサービス提供を行っており結びつきが強いです。
少し前までは、野村證券、セブンイレブンの2台顧客で同社の売上のほとんどを占めるとまでいわれていましたが、その後新規開拓を行い、現在では業種ごとの偏りは分散されてきています。
シンクタンク・コンサルティング部門は入社時点でメンバーも分かれており、あまりシステム部門と協業してシナジーを発揮しているという感じではありません。
同社の業種別の売上比率は以下の通りです。
<NRI業種別の売上構成比率>
・コンサルティング:6.3%
・金融・IT
・証券 :23.8%
・保険 :11.1%
・銀行 : 9.2&
・その他:8.7%
・産業
・流通 :11.5%
・サービス業:22.5%
・IT基盤:6.9%
NRIの業務内容
配属
部署が、業種、クライアントごとに分かれており、配属されるとしばらく何年かはそのクライアントを担当するという流れになります。
入社から野村證券1本で10年以上やってますという人も珍しくなく、最初にどこへ配属されるかがその後のキャリアに大きな影響を与えます。
配属先の希望は、入社前に一応は出すものの、入社式で一人ずつ読み上げられて知らされます。
配属される部署によって、カラーは大きく変わりますから、ある種その後の運命を決める重大イベントです。
最近では、JOBローテーションも意識して行われていますが、それでも4~5年に1度といペースです。
さらに金融セグメントと産業セグメントの垣根は高く、そこの壁を越えての異動というのはよほどのことがない限り行われません。
業務内容
1年目はプログラミングの開発などが任されます。
コードが書けないものにマネージメントはできないというのが同社の古くからの思想で、開発量のノルマなども定められ、一人ひとりクリアしたかをチェックされます。
2年目以降は、小テーマのリーダーから始まり、次第に規模が大きいプロジェクトのマネージメントを任されるというのが同社のオーソドックスなキャリアパスです。
新規のプロジェクトだけでなく、既存システムの保守や制度変更対応などの業務割合も比較的高いです。
NRIは古くから証券、金融系のシステムの開発をを行っているので、COBOLなどで書かれた古い仕組みの対応も多く、配属される部署によっては最新技術に触れる機会が少なくなります。
また、営業職がないのが同社の特徴で、現場のSEが顧客との価格やスケジュール交渉をしつつ、開発の進捗管理や品質チェックも同時に行わなくてはなりません。
勤務地
勤務地は証券部門のみ木場、それ以外は横浜みなとみらいとなり、いずれも東京周辺の勤務となります。
NTTデータなどと比べると、NRIの海外展開はそこまで進んでいるわけでは無く、海外勤務も少ないです。
開発拠点が中国やインドにあるので、そこへの視察はありますが、長くても1週間程度のものです。
また、日本語ペラペラな現地スタッフが昼も夜もアテンドしてくれるので、語学力はほとんど必要ありません。
大阪などにも拠点はありますが、自ら希望しない限り、基本無いと思います。
NRIの年収
1年目はそこまで他社と大きな違いはありませんが、10年目までの上りが非常に大きいです。
また、上級専門職になるまでは休職などしない限りは横並びで上がっていく年功序列の給与体系なので年収はかなり高いとえます。
おおよそ32~33歳で年収1000万の大台にのるようです。
<NRIの年収、昇格イメージ>
・総合職(1~3年目):330~550万円
・専門職(3~5年目):600~700万円
・副主任(6~9年目):700~900万円
・主任(10~13年目):1000~1250万円
・上級専門職(13年目~):1300万円~
・GM(課長)※実力次第:1600~2000万円
・部長※実力次第:2200~3000万円
NRIのホワイト度
かつては月の残業80時間以上というのが当たり前だったようですが、働き方改革は進んでおり残業時間や休日出勤日数は厳しく管理されています。
休日出勤した分は代休をとったかも厳しくチェックはされているようです。
しかし、同業他社と比べると残業時間はまだまだ高い水準で、道半ばという状況です。
また、目に見える数値以外にも、NRI社員の業務には、絶対に止められないシステム、期限が絶対のプロジェクト、厳しいクライアントという強い精神的なプレッシャーがあります。
高年収で単価が高い分、他社ではできない難易度が高い仕事を引き受けるというケースも多く、そのような仕事を回していくタフさは必要になってきます。
また、休日、夜間のトラブルコールは避けては通れない道で、予定していた休日の予定が潰されたりするということは覚悟をしておかなければなりません。
<NRIのホワイト度>
・平均残業時間:46.6時間
・有休取得率:47%
<比較他社の参考値>
・NTTデータ
・残業時間:29.1時間
・有休取得率:75%
・アクセンチュア
・平均残業時間:40.3時間
・有休取得率:67%
・IBM
・平均残業時間:34.0時間
・有休取得率:59%
(参考:キャリコネ(https://careerconnection.jp/review/531/))
NRIの採用大学
NRIの新卒採用大学は以下の通りです。
東大、京大、早稲田、慶応の一流大学出身者だけで全体の40%となり高学歴者の集まりとなっています。
また、理系や大学院卒の比率も高く、ポテンシャルの高い人材が集められていることが分かります。
入社後には文系・理系の区別はなく扱われるので、文系出身者は最初苦労するところも多いですが、入社後の集合研修や1年目のOJTで手厚いフォローアップがあるようです。
<NRIの採用大学>
早稲田大学:56人
慶応義塾大学:47人
東京大学:37人
東京工業大学:22人
東京理科大学:22人
京都大学:15人
大阪大学:14人
同志社大学:14人
筑波大学:12人
※東大、京大比率:13.3%
※早慶比率:29.0%
(参考:キャリナビ(https://careernavi.net/nri-gakureki))
NRIのおすすめ度
NRIは野村証券の金融システムを中心とした日本有数のSIer企業になります。
同業他社と比べると給与水準は非常に高く、30前半で1000万円の大台にのせることが可能です。
その反面、業務時間の長さや与えられる仕事の難易度やプレッシャーは高く、それらを跳ね除けられる精神的なタフさが必要でしょう。
JOBローテーションや転勤も少ないので、石の上にも三年というようにじっくり物事に取り組んで行きたいという人には向いていると思います。
非常に優秀な人が集まっている企業なので、転職市場での価値も高いです。
タフな環境に身を置いて、高い年収を獲得したいという人にはお勧めの企業になります。
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