今回はNTTデータの企業分析をしていきます。
NTTデータは売上高2.3兆円、従業員数9万4千人の名実ともに日本最大のSier企業です。
競合のNRIやアクセンチュアとの比較も入れて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事を読んでわかること>
NTTデータの
・年収や残業時間
・残業時間、有休取得率・
・事業内容の特性、強み
・採用大学や社風
NTTデータの事業内容の特性①~公共分野、金融分野に強み~
Sierとしての歴史が長く、官公庁、金融分野向けののシステムに強みがあります。
以下にNTTデータが持っている主だったサービスを挙げます。
「これが無くては日本の国が動かない」といっても過言ではないくらい、社会の根幹を支える重要システムを支えているのがNTTデータの強みです。
NTTデータが手掛ける主なシステム
<金融分野>
・全銀システム
(銀行間の決済サービス)
・日銀の金融システム
・東京証券取引所
・CAFIS
(クレジットの決済サービス)
・郵貯銀行のシステム全般
<公共分野>
・マイナポータル
・住民基本台帳システム
・航空レーダー、管制システム
・アメダス
・災害救急医療情報システム
・etax
国の基幹を支えるシステムなので、切り替えが困難
NTTデータが支えているこれらのシステムは規模が大きく、止めてはいけない超重要システムであるので、他会社への乗り換えが容易でないという特徴があります。
逆にNTTデータからすれば、過去構築したシステムを安定保守するだけで継続的に収益を得られるというメリットがあり、同社の経営を支える重要な事業となっています。
競合はIBMや富士通、NECなどの企業となりますが、それぞれ受け持つ領域で住み分けができており、新規参入が少ないのも特徴です。
歴史が長い分古臭いシステムが多い
これらのシステムは歴史が長いため、中にはスパゲッティー構造のシステムや、有識者が限られるなど泥臭い現場が多いです。
何十年も前に書かれた手書きの設計書を読み返したり、何十年前のソースコードを解析したりする必要があります。キラキラしたIT業界のイメージとはかけ離れた業務内容になる可能性が高くその点は覚悟をしておいた方が良いでしょう。
最近ではトレンドにのった案件が増えている
デジタル庁の創設など、国としても行政サービスのIT化を推し進める流れになっています。
そのため、今までの古い公共システムを新しく作り直そうという案件が増えてきているようです。
例えば、最近では昔からあるシステムをクラウド上に作り変えましょうというような案件です。
マイナンバーカードの普及とともに公共向けITサービスを我々ユーザーがスマホから触れ、身近に感じることができる時代になってきています。
この流れはどんどんと加速していくでしょう。
NTTデータの事業内容の特性②~高い海外売り上げ比率~
海外企業のM&Aを積極的に行っており、海外売り上げ比率は40%に迫っています。
この流れはどんどんと加速されており、将来的には海外、国内の売上比率を50:50にする方針です。
手を挙げれば、海外案件に参画することが可能
海外からの案件もどんどん増えてきていますし、外国人社員も増えてきています。
また日本採用の社員も手を挙げれば海外での仕事にアサインされるという環境が整っており、チャレンジの幅が広がっています。
TOEIC高得点保持者や留学経験者だけでなく、意欲があり手を挙げればアサインされる事例も多く、やる気次第といったところのようです。
M&Aにより、事業領域も広がっている
Sierの海外勤務となると中国やインドの開発拠点のサポートというところを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、海外でM&Aした企業に出向き、現地法人に向けてITサービスを提供するという案件も増えているようです。
海外でも公共や金融分野に対して強みがあり、サービスを展開していますが、DELLのヘルスケア部門を買収するなど事業のすそ野を広げています。
進出先としては北米、ヨーロッパなどが多いです。
バチカン市国の図書館の書籍をアーカイブ化するといったキラキラした案件も手がけています。
NTTデータで身につくスキル
大規模プロジェクトのマネージメントスキル
NTTデータでは顧客が国や国内大手企業であり、受け持つシステムの規模も大きいことから大規模プロジェクトのマネージメント能力が身につきます。
2~3年目からは自らプログラムを書くというよりも、プロジェクト全体のコスト管理、スケジュール管理、品質管理といったマネージメント業務が中心になってきます。
名の知れた大企業を顧客とするので、プレゼンテーションなどのビジネススキルも自然と身についていきます。
海外案件での活躍
企業特性の章でも書きましたが、海外案件に手を挙げればアサインされるチャンス、環境が整っています。
システムエンジニアは、今までどのようなプロジェクトに携わってきたかを経歴書のような形で転職時に求められることが多いです。
その中に海外案件が何件かあることによって、あなたの転職市場での価値はグンと上がります。
NTTデータの年収
NTTデータの平均年収は822万円となっています。
働き方がホワイトな分、30前半で1000万に到達するアクセンチュアやNRIと比べると少し劣ります。
しかし、年功序列の給与体系で課長クラスまでには大きな欠点がなければ昇格することができ、30後半~40歳にかけて年収1000万に到達することが可能です。
<NTTデータの年収、昇格イメージ>
新卒(1年目):400万
主任(4~5年目):650~800万円
課長代理(8~12年目):800~1000万
課長(12~20年目):1000~1300万
部長(実力次第):1300~1600万
NTTデータのホワイト度
元お役所日の丸ということもあり、IT業界の中ではかなりホワイトな社風です。
キャリコネの数値を見ると、残業時間や有給取得率は以下の通りです。
競合他社との比較もしています。
<NTTデータのホワイト度>
・残業時間:29.1時間
・有休取得率:75%
<比較他社の参考値>
・NRI
・平均残業時間:46.6時間
・有休取得率:47%
・アクセンチュア
・平均残業時間:40.3時間
・有休取得率:67%
・IBM
・平均残業時間:34.0時間
・有休取得率:59%
NTTデータの採用大学
元が公共的な企業であり、NTTデータの採用大学は幅広く、特定のエリート大学に偏りがないようバランスがとられています。
また、女性の採用比率も34%と高く、学卒も全体の半分程度となっています。
文系や学部卒に対しても門戸を広げており、Wellcomな社風があるでしょう。
プログラミング未経験でも入社後の研修や現場配属後でもフォローUPが手厚く心配は少ないと思います。
<NTTデータの採用大学>
早稲田大学:76人
慶応義塾大学:47人
東京大学:23人
明治大学:19人
東京理科大学:16人
上智大学:15人
同志社大学:15人
大阪大学:14人
東京都立大学:14人
青山学院大学:13人
※東大、京大比率:6%
早慶比率:23.0%
<比較他社の東大京大/早慶比率>
・アクセンチュア
東大/京大比率:15.1%
早慶比率:24.6%
・NRI
東大/京大比率:13.3%
早慶比率:29.0%
まとめ(NTTデータのお勧め度)
今回はNTTデータの年収やホワイト度、身に着けられるスキルについて紹介しました。
公共、金融分野でしっかりと収益を上げ、そこで出た利益を海外M&Aに投資しているというバランスの取れた事業モデルです。
大規模案件でのプロジェクトマネージメントスキルの他に、希望すれば海外案件にも参画するチャンスも得られ、チャレンジングな環境が用意されています。社内競争もそこまで実力主義でなく、働き方改革も進んでいるのでワークライフバランスを重視したい方にはお勧めの企業です。
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