こんばんわ。
Sier業界はメーカーなどと比べると給与が高く、働き方の自由度も高いということで、就活生の間で人気の職種です。
しかし、一方で「Sierはキツイ」、「プロジェクトが炎上すると徹夜で帰れない」という声もよく聞かれ、忙しいというイメージがつきまとう業界です。
近年の働き方改革により、労務の改善はされてきているとは言うものの、実態としてはどうなの?と心配になっている方も多いと思います。
そこで今回は、有給消化率と平均残業時間をもとにランキング形式で紹介をして行きます。
Sier業界の中でも、特に働き方改革に力を入れ、独自性を出している会社もありますので、そういった会社を紹介できればと思います。
対象は、就活人気ランキングなどで名前が挙がっている13社に絞って調査をしています。
残業時間、有給消化率は転職サイトのキャリコネの数字をもとにしていますので、皆さん気になる企業があれば独自に調べてみてください。
1位 SCSK
- 平均残業時間:22.2時間 (全体1位)
- 有給消化率:85%(全体1位)
- 平均年収:725万円
第1位は住友商事系のシステムインテグレーターSCSKです。
平均残業時間、有給取得率ともに比較13社のうち、堂々第1位です。
自社の働き方改革の実現に向けて、「社員が有給100%消化できるようにご配慮下さい」という手紙を社長自ら取引先に出したというエピソードも有名で、本気で残業時間を減らすんだという強い意思が感じられます。
2011年から平均残業時間は27.8時間→16.4時間へ有給消化率は13日→18.8日に大きく改善することに成功した裏で、売上も倍近くになっており、成長と働き方改革を両立することができたと言えるでしょう。
「自社で成し遂げた働き方改革のノウハウを他の会社にもコンサルティングします」というサービスも始めており、正にIT業界の働き方改革リーディングカンパニーといったところです。
2位 NTTデータ
- 平均残業時間:28.8時間 (全体2位)
- 有給消化率:74%(全体2位)
- 平均年収:834万円
第2位はNTTデータです。やはりNTTグループということで組合などの力も強く、ホワイト度は高いです。
平均残業時間30時間以下、有給消化率70%以上というのは、SCSKとNTTデータだけです。
大学同期や仕事で関わる人の様子を見ると高残業で働いている方も多かった印象ですが、残業時間の目標値を部署ごとに決めてチェックしていくなど、かなり現場に浸透して来ていると思います。
3位:日本マイクロソフト
- 平均残業時間:34.1時間 (全体4位)
- 有給消化率:62%(全体5位)
- 平均年収:非公表
日本マイクロソフトといえば、週休3日制を導入するなど、外資ならではの取り組みを行っています。
こちらも2011年から始めた働き方改革で事業成長と労働時間との両立を目指し、一人当たりの生産性は26%向上。
自社ツールを使用したテレワークも早くから始めているというのも特徴です。
会議中の内職時間を自動でカウントしてくれるツールなどもあり、不要な会議の分析にも貢献しています。
IT企業らしく、テクノロジーとデータ分析を通じて無駄な時間を減らすというアプローチに特徴があります。
4位~9位
ここからは中盤4位~9位の紹介です。長時間労働、高年収のイメージが強いアクセンチュアが7位にランクインしていたのが意外でした。残業時間は40時間オーバーと10位であるにも関わらず、有給消化率が全体3位というギャップが特徴的です。
プロジェクトが忙しい時にはがっつり働き、合間にはがっつり休むというメリハリのつけた働き方が見て取れます。
日本IBMや日本ユニシスは私が就活をしていた10年前でもSierの中では比較的まったりというイメージがありましたが、今でも引き継がれているようです。
4位:日本ユニシス
- 平均残業時間:36.9時間 (全体7位)
- 有給消化率:64%(全体4位)
- 平均年収:837万円
4位:日本IBM
- 平均残業時間:36.9時間 (全体7位)
- 有給消化率:64%(全体4位)
- 平均年収:837万円
4位:日鉄ソリューションズ
- 平均残業時間:35.9時間 (全体5位)
- 有給消化率:62%(全体6位)
- 平均年収:845万円
7位:アクセンチュア
- 平均残業時間:40.3時間 (全体10位)
- 有給消化率:67%(全体3位)
- 平均年収:非公表
7位:オラクル
- 平均残業時間:36.6時間 (全体6位)
- 有給消化率:61%(全体7位)
- 平均年収:1069万円
9位:伊藤忠テクノソリューションズ
- 平均残業時間:39.2時間 (全体9位)
- 有給消化率:56%(全体9位)
- 平均年収:896万円
9位:電通国際情報サービス
・平均残業時間:38.4時間 (全体8位)
・有給消化率:53%(全体10位)
・平均年収:993万円
11位~13位
ここからは下位ランキングの紹介です。
高年収で有名なNRIは11位での登場です。
働き方改革は会社として進めているのですが、数字で見ると今のところ成果は現れていません。
企業が優秀な人材を惹きつける要素が「高年収」だけではなくなっている現在、今後も優秀な人材を集められ続けれるかこれからの取り組みに掛かっていると思います。
また、下位には独立系の大塚商会、オービックが並んでいます。
親会社が優良顧客となり、安定的な事業収益となっているユーザー系SIerと比べ、積極的に営業をかけ、無理な案件でも請け負わなければならない事情もあると思います。
11位:NRI
- 平均残業時間:46.6時間 (全体12位)
- 有給消化率:47%(全体11位)
- 平均年収:1235万円
11位:大塚商会
- 平均残業時間:45.1時間 (全体11位)
- 有給消化率:38%(全体12位)
- 平均年収:851万円
13位:オービック
- 平均残業時間:46.9時間 (全体13位)
- 有給消化率:32%(全体13位)
- 平均年収:921万円
まとめ
本日は、大手SIerの中にホワイト度を平均残業時間、有給消化率をもとにランク付けしました。
商社系のSierがランキング上位に、独立系のSierがランキング下位になる傾向が見れますが、各社行っている取り組みは様々で結果に違いは出てきていると思います。
高残業、高収入では優秀な人材も集まらなくなってきていますから、今後より一層強い改善が求められてくると思います。
各社競い合い、かつて激務と呼ばれたSier業界の働き方も改善されてくれると嬉しいですね。
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