日本IBMは世界最大のITサービスベンダーであるIBMの日本法人です。
日本IBMの国内売上は9,000億円となっており、富士通、日立製作所、NTTデータ、NECに次ぐ売上第5位の地位を得ています。
外資系企業でありながら日本でのビジネスの歴史は長く、なんと1925年から事業を展開しています。
歴史が長い分、官公庁や金融機関など日本の基幹ともいえるシステムの構築に携わっています。
今回はそんな日本IBMの企業研究をしていきます。
いまいちIBMってなんの会社なの?というのが分からないという疑問についても詳しく解説していきます。
<この記事を読んでわかること>
日本IBMの…
・事業内容、主要顧客
・年収、昇格
・ホワイト度(残業時間、有休取得率)
・おすすめ度
日本IBMの事業内容
日本IBMの主要顧客
日本IBMの主要顧客を紹介します。
日本での歴史が長いため、国の基幹を支えるメガバンクや交通インフラを主要顧客として持っています。
また、官公庁向けのITサービスを行っており、NTTデータやNEC、富士通などの国内ITベンダーと競合となるケースも多いです。
<金融系>
・みずほ銀行
・三井住友銀行
・三菱UFJモルガンスタンレー証券
・東証
・セブン銀行
・楽天カード
<小売・サービス>
・日本航空(JAL)
・JR東日本
・ビックカメラ
・ニトリ
・マツモトキヨシ
・オートバックス
<製造業>
・本田技術研究所
・パナソニック
日本IBMのサービス
かつての日本IBMはレノボPCやサーバー機器などのハードウェアの製造販売をメインとする会社でした。
しかし、時代の変遷とともにIBMの事業内容は大きく変わっています。
いまいちIBMってなんの会社なの?というのが分からないという方向けに解説をしていきます。
①SIer、クラウド事業
官公庁、金融機関、製造業向けに業務システムを受注、開発するSier事業は、同社の収益を昔から支えています。
戦略コンサル部隊も同社に抱えており、コンサルとソリューション(IT)の組み合わせで、受注につなげていきます。
競合としては、NTTデータ、NRI、アクセンチュアなどのSierベンダーが上がります。
事業割合としては全体の65%ほどです。
②AI事業(IBMワトソン)
IBMワトソンとはIBM社が開発した人工知能(AI)です。
画像認識や音声認識の精度が高く、主にコールセンターやカスタマーサポートに導入するサービスを提供しています。
電話での問い合わせの音声を自動認識し、回答候補をオペレーターに提示したり、チャットボットによって顧客からの問い合わせに答えたりすることで、顧客満足度の向上や、コスト削減に貢献しています。
また、オートバックスではスマホで撮影した画像をもとに、タイヤの摩耗度合を自動診断するというシステムも提供しています。
AI自社製品を持たない他のITベンダーとは強い差別化を図ることができ、同社の収益の大きな柱になっています。
事業割合としては全体の25%ほどです。
③ハードウェアの製造・販売
サーバーやメインフレームの機器製造・販売も同社の大きな収益源でした。
オープンフレームとは、金融機関や官公庁などの基幹情報システムに用いられる大型コンピューターのことです。
しかし、最近のクラウド化の流れによりハードウェアの収益は年々減らしています。
同社のクラウド事業については、AmazonやMicrosoftに比べて遅れをとっており、経営の1課題になっています。
事業割合としては全体の10%ほどです。
参考:日経Tech
(https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/column/15/355100/103000029/)
日本IBMの年収
日本IBMの公開されている年収は838万円です。
年収、評価はバンドといわれているランクに分けて設定されています。
昇格スピードは実力主義で本人の実力や配属部門の業績によって大きく変わります。
管理職までの出世スピードが横並びのNRIやNTTデータとは大きな違いです。
標準的な出世スピードであれば、30後半~40歳ぐらいで年収1000万円の大台に乗ると思われます。
管理職になってからは、売上ノルマのもと出世の競争を課せられます。
達成ができない期間が続く人に対して、肩叩きの文化もあるようで外資系企業ならではと思います。
<日本IBMの年収、昇格イメージ>
・トレーニー新卒(1年目):
400万
・バンド6副主任(2~5年目)
500-600万円
・バンド7主任(6-9年目):
700~900万円
・バンド8課長職(10~20年目):
1200~1400万円
・バンド9部長職(実力次第):
1400~1500万円
日本IBMのホワイト度(残業時間、有休取得率)
キャリコネの数値を見ると、平均残業時間と有給取得率は以下の通りとなっています。
NTTデータよりはハードですが、アクセンチュア、NRIなどと比べればホワイトな部類に当たります。
<日本IBMの平均残業時間、有給取得率>
・平均残業時間:34.0時間
・有給取得率:59%
<比較企業の残業時間、有給取得率>
・NTTデータ
・平均残業時間:28.8時間
・有給取得率:74%
・NRI
・平均残業時間:46.6時間
・有給取得率:47%
・アクセンチュア
・平均残業時間:40.3時間
・有給取得率:67%
(参考:https://careerconnection.jp/review/11411/)
IBMのお勧め
日本IBMは、世界的に有名なIT企業です。
外資系企業で昇格については若いころから年功序列ではないため、
自分の実力でどんどん年収を上げていきたいと考える人にとっては良い選択肢になります。
ネームバリューがあるので、次の転職にも非常に有利で、。
Oracle、Microsoftなどへどんどんステップアップしていくことも十分可能でしょう。
平均残業時間や有休取得率の点でも、NRIやアクセンチュアと比べてホワイトなので、ワークライフバランスを重視する人にもお勧めになります。
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