富士通と言えば、ノートPCやスマホを製造する電機メーカーとして発展してきました。
また、スーパーコンピューター富岳の製造を行ったことでも知られています。
ハードウェアメーカーとしてのイメージが強い富士通ですが、1990年代からは法人向けのITサービス提供へと事業方向を転換し、現在では売上国内No1のSier企業となっています。
今回は富士通への就職、面接を考えている方向けに、事業内容の説明、強み・弱み、年収や働きやすさなどを網羅的に解説をしていきたいと思います。
大手Sier企業への就職や転職を考えられている方で、富士通という会社に興味を持っている方にとって非常に有益な情報となっています。
競合他社との比較を入れつつ解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
<この記事を読んでわかること>
富士通についての
・事業内容
・年収
・ホワイト度(残業、有休取得率)
・採用情報
・おすすめ度
富士通の事業内容
富士通の事業の柱は以下の3つです。
冒頭でお話しました通り、かつて富士通とPC、スマホ、家電を製造するハードウェアメーカーでしたが
現在は法人向けのITサービス事業が売上の約80%を占める主軸となっています。
同社内での売上は①>②>③の順に大きいです。
また、同社は脱ハードウェア化を進めており②、③の規模は今後どんどんと縮小していくと思われます。
理由としては、中国、韓国などの海外メーカーとの価格競争に巻き込まれ、高い利益率をだすことが難しくなってきているからです。
逆に、データ分析やAIを活用したサービスを提供するDX分野での売上を今後伸ばしていこうと計画しています。
2023年までに同社売上の33%までに比率を高めようと計画がなされています。
(参考 http://www.fujitsu.com/jp/)
①テクノロジーソリューション
主に法人向けにITシステムを提供するSIer事業となり現在の富士通の主軸となる事業です。
ITシステムのコンサル~設計・開発までを行うITサービス事業と、サーバーや通信機器を製造販売するプラットフォーム事業に分かれます。
②ユビキタスソリューション
パソコン、携帯電話の製造、販売を行う事業を行う部門です。
最近は中国、韓国メーカーにシェアを奪われている部門になりますが、私たち一般消費者からすれば一番なじみが高い部門かもしれません。
③デバイスソリューション
主に半導体を製造する事業です。
自動車、家電、スマホなどに搭載する重要な部品であり、私たちの暮らしを裏で支えています。
富士通の業界シェア
富士通の市場シェア
富士通はITサービス、サーバー出荷金額ともに国内シェア1位を誇ります。
また、世界レベルで見てもITサービス:世界5位、サーバー出荷:世界9位となっており、グローバルでも大きなプレゼンスを発揮しています。
IT業界売上シェア
サーバー出荷金額
(参考:https://it.impress.co.jp/articles/-/21758)
(参考:https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/servers/news/idcserver-research.html)
富士通 業種別の市場シェア
業界別にみると特に官公庁、公共向けサービスで強さを発揮していますが、あらゆる分野で高いシェアを発揮しています。
◆IT業界 業種別シェア
<金融業(銀行、証券、保険)>
1位:NTTデータ 15.6%
2位:富士通 9.9%★
3位:日立 9.8%
4位:NRI 8.3%
5位:IBM 7.2%
その他 49.1%
<製造業>
1位:富士通 10.2%★
2位:NEC 8.2%
3位:NTTデータ 6.3%
4位:日立 6.2%
5位:TIS 4.6%
その他 64.6%
<通信・メディア>
1位:富士通 10.1%★
2位:IBM 6.9%
3位:日立 6.0%
4位:NEC 5.9%
5位:NTTデータ 5.7%
その他 65.4%
<サービス業>
1位:富士通 14.6%★
2位:日立 9.4%
3位:IBM 8.9%
4位:アクセンチュア5.5%
5位:NTTデータ 5.4%
その他 56.1%
<官公庁>
1位:富士通 24.0%★
2位:NTTデータ 16.1%
3位:NEC 15.3%
4位:日立 11.8%
5位:IBM 4.3%
その他 28.5%
(参考:IDC japan)
富士通の強み
①高い市場シェア
富士通はITサービス、サーバー機器の製造ともに国内シェア1位で高いプレゼンスを誇っています。
ハードウェアの製造、販売も行っていることで、顧客に対してトータルのソリューションを提供できるという強みがあり、この点はハードウェアを持たないNTTデータやNRIとの差別化ポイントとなるでしょう。
②巨大企業ならではのサポート体制
世界に100か所の拠点を持っており、海外展開する顧客向けに、万全のサポート体制を敷くことができます。
国内での少子高齢化を受けて積極的に海外展開する顧客も増えてきていますから、そのような企業にとっては信頼・安心の価値を提供することができます。
富士通の年収
富士通の公開されている年収は803万円です。
他の競合他社と比較して、少し低めとなっております。
<競合他社の年収>
・NTTデータ :833万円
・NEC :814万円
・日立製作所:903万円
・IT業界平均:444万円
また、富士通の昇給スピードは以下の通りです。
典型的な日系企業で横並びでの昇格となります。
年収1000万円の大台に乗るののは、40歳前後となります。
富士通昇格スピード
・トレーニー(22~24歳) 300~400万円
・G2 (25~27歳) 400~500万円
・G3 (28~30歳) 500~600万円
・G4 (31~33歳) 600~800万円
・SP (34~39歳) 800~1000万円
・マネージャー (40~44歳) 900~1200万円
・部長(実力次第) 1100~1300万円
また、大企業であるが故、福利厚生制度も充実しています。
例えば住宅補助として、40歳まで、独身者へは最大3.3万円、既婚者へは4万円の補助が出されます。
参考:年収1000万図鑑
(https://www.jobdirect.jp/archive/category/%E5%B9%B4%E5%8F%8E1,000%E4%B8%87%E5%86%86%E5%9B%B3%E9%91%91)
富士通のホワイト度
富士通の平均残業時間、有休消化率は以下の通りです。
IT業界全体の平均とほぼ同レベルになりますが、競合のNTTデータやNECに比べれば平均残業時間は長めとなっています。
今後の働き方改革推進が期待されます。
<富士通のホワイト度>
・平均残業時間:30.9時間
・有休取得率:60%
<比較他社の参考値>
・NTTデータ
・残業時間:29.1時間
・有休取得率:75%
・NEC
・平均残業時間:25.9時間
・有休取得率:60%
・日立製作所
・平均残業時間:36.9時間
・有休取得率:57%
・IT業界平均
・平均残業時間:31.0時間
・有休取得率:57%
富士通の採用
富士通のホームページより、同社の求める人物像は以下の通りです。
<富士通の求める人材>
・未知なるものに対して、楽しんで取り組むことができる人
・志を持って、挑戦・探求し続けることができる人
・困難なことに対して、最後までやり遂げることができる人
変化の激しいIT業界ではどんどんと新しい領域の知識を獲得していく必要があります。
また、ITソリューションサービスは、プロジェクト単位にチームで顧客課題の解決を行っていく業務です。
チームワークを活かし、初めてのことにチャレンジし、困難を乗り越えたエピソードを準備しておくと良いと思います。
また、富士通では同社の企業理解がしっかりなされているかや求める人材像とどれだけマッチしているか非常に重視しているようです。
同業他社との違いや強みなど、ここまでに紹介した企業分析をしっかり頭に入れたうえで面接には臨んでください。
富士通のおすすめ度
富士通はSier業界の中で、国内トップのシェアを誇る企業です。
変化の激しいIT業界ですが、各分野しっかりと高いシェアを維持し盤石の事業基盤を作っているので、早々にその地位が崩れることは無いでしょう。
待遇面では、NTTデータやNECと比べて、そこまで目立って高年収という訳ではありませんが、40歳前後で年収1000万に到達します。
年功序列の評価制度で住宅補助などの福利厚生も充実しているので、安定を求める人にはぜひお勧めをしたい企業です。
コメント